当所では、毎年2回、当所会員事業所(金融保険業等を除く)を対象に景況調査を実施しています。
このほど令和2年下期(7月~12月)の景況調査結果をまとめましたのでご報告いたします。
調査の概要
- 対象事業所数(金融保険業等を除く当所会員) 1,714社
- 回答事業所数 535社(回答率31.4%)
(内訳)製造業:167社 建設業:74社 卸売業:42社 小売業:88社 飲食業:27社 サービス業:101社 交通運輸業:13社 その他:23社 - 調査期間 令和2年12月17日~令和3年1月15日 郵送によるアンケート方式
※ 語句の説明
DI値(景気判断指数)とは、売上・採算・業況などの項目についての判断の状況を表します。ゼロを基準としてプラスの値で景気の上向き傾向を表す回答が多いことを示し、マイナスの値で景気の下向き傾向を表す回答が多いことを示します。
調査結果
景気の現状
景気の現状について、「良い・やや良い」との回答が9.5%、「やや悪い・悪い」が68.6%で現状判断DI値は▲59.1となった。
前期調査(▲70.5)と比較して改善となったが、低水準が続く結果となった。前期調査時の今後の景況見通しDI値は▲66.6であったため、見通しより7.5ポイント上回る結果となった。
今後の見通し
今後の見通しについては「良い・やや良い」との回答が10.6%、「やや悪い・悪い」が56.4%で、景気の見通しDI値▲45.8と現状のDI値▲59.1と比較し13.3ポイント改善の予想ではあるが、新型コロナウイルスの影響長期化への懸念から先行きに対して厳しい見方が伺える。
業種別の景気の現状
業種別の景気の現状については、DI値は製造業が▲71.8(前期▲76.1)、建設業が▲36.4(前期▲56.6)、卸売業が▲66.7(前期▲80.0)、小売業が▲61.3(前期▲67.8)、飲食業が▲66.6(前期▲85.7)サービス業が▲41.5(前期▲68.0)が改善、一方で、交通運輸業▲92.3(前期▲63.6)と悪化する状況となった。
売上・利益状況
売上状況については「増加・やや増加」との回答が10.9%(前期6.6%)、「変わらない」が16.4%(前期13.2%)、「減少・やや減少」が72.3%(前期80.1%)で売上状況DI値は▲61.4(前期▲73.5)となり、前期調査と比べると12.1ポイントの改善となった。
利益状況については「増加・やや増加」との回答が10.1%(前期4.7%)、「変わらない」が19.3%(前期16.8%)、「減少・やや減少」が70.3%(前期78.2%)で利益状況DI値は▲60.2(前期▲73.5)となり、前期調査と比べると13.3ポイントの改善となった。
今回の調査では売上、利益状況ともに改善傾向となった。
資金繰り・設備投資の現状
資金繰りの現状についてはDI値をみると▲27.2であり、前回の▲35.3から8.1ポイント改善している。また、資金繰りの見通しについてのDI値は▲25.1であり、現状から2.1ポイント改善の見通しである。
設備投資の実績については「行なった」が21.5%、「行なっていない」が76.6%となっている。また、今後の設備投資については「予定あり」が17.6%、「予定なし」が77.9%となっている。
経営上困っている問題(3項目選択)
経営上困っている問題については、「売上・受注の停滞減少」が59.4%(前期69.1%)と前期に引き続き1位となった。第2位に「人材育成」が21.9%(前期16.8%)、第3位に「人手不足」が19.1%(前期13.2%)と続いた。
総評
景気の現状を示すDI値は、新型コロナウイルスの影響による大幅な悪化から持ち直しの動きとなったが、依然として低水準が継続している。業種別の現状や売上・利益状況などからみても前期と比較して改善しているものの力強さに欠ける。景気の先行きに関しても、現状のDI値と比較して13.3ポイントの業況改善を見通しているが、売上見通しについても▲45.4と低水準に見込むなど、今後の業況見通しについて新型コロナウイルスの影響長期化への懸念から引き続き厳しく見ているものと考えられる。
お問い合わせ
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過去の景況調査
- 桑名地域景況調査(平成29年上期)
- 桑名地域景況調査(平成29年下期)
- 桑名地域景況調査(平成30年上期)
- 桑名地域景況調査(平成30年下期)
- 桑名地域景況調査(平成31年、令和元年上期)
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- 桑名地域景況調査(令和2年上期)
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