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消費税対策にも有効なキャッシュレス決済の活用【第2回】

消費税対策にも有効なキャッシュレス決済の活用(全10回シリーズ)

【第2回】キャッシュレス決済に関わる政府施策〔その2〕

 前回は、わが国におけるキャッシュレス決済の普及状況や、政府の「キャッシュレス・消費者還元事業」(以下、「ポイント還元制度」という。)の概要を紹介しました。今回も引き続きポイント還元制度の最新動向や、同制度への参加を検討中の中小小売店等にお伝えしたい「決済ツールの種類」「消費者と事業者のニーズ」「プラン選択」という観点で解説していきます。

<還元制度の動向>

 経済産業省は2019年3月、キャッシュレス決済事業者の仮登録を行い、100を超える登録希望を受けたそうです。今後、ポイント還元事業の執行団体(補助金の運営主体)として当協議会がこの仮登録実務を引き継ぐことになります。その後、決済事業者の本登録を行うとともに、中小小売店等の加盟店登録や決済端末、決済手数料の補助要領など、ポイント還元制度に参加するための要件等を公表する予定です。今のところ、中小・小規模事業者の対象要件は、原則、中小企業基本法第2条の定義に準ずることとし、それ以外の要件(大企業に匹敵する規模の中小・小規模事業者の取扱い、ならびに補助対象外となる事業・取引の詳細)については4月を目処に公表予定です。

<決済ツールの種類>

 多くの中小小売店等は、ポイント還元制度への対応に向けて、どの決済ツールを導入すればよいか迷っておられることと思います。ひと口に「キャッシュレス」と言っても、消費者から見れば決済手段やサービス内容は多岐にわたっており、一方の中小小売店等の皆様にとっても導入方法は千差万別です。そこで、「消費者」「中小小売店等」それぞれから見た視点と、決済事業者のプラン内容を理解することで、購買シチュエーションに応じた決済ツールは何か、わが店舗に適したプランはどれかを選択しやすくなります。

 

1.消費者の視点

 「消費者」が支払手段を選択する際の検討軸には、①どのタイミングで自分の資産から支払われるのか、②何を提示することで支払えるのか(支払いの媒体)の2つがあります。

①については、「前もって支払う」「いま支払う(即時で銀行口座から引き落とされる)」「後で支払う(月末等にまとめて支払う)」の3通りあります。「前もって支払う」ものにはプリペイド、つまり事前に現金・銀行口座・クレジットカードから任意の金額をチャージしておき、チャージした範囲内で使える「電子マネー」があります。次に「いま支払う」ものには、銀行口座と連携して即時に支払を完了させる「デビットカード」があります。「後で支払う」ものの代表例はクレジットカードです。②については、物理的な媒体として「スマートフォン」「プラスチックカード」の2種類があります。

このように、消費者の選択肢には、3通りの支払いタイミングと2通りの支払い媒体を掛け合わせた6通りが存在します。

 

2.中小小売店等が実現したいこと

 一方、中小小売店等は、どのような決済ツールやサービスを導入すべきか。まず考えるべきは、「消費者ニーズに如何に適合させるか」という観点です。わが店舗のお客様は、いったいどのような決済を望んでいるのかイメージして決済手段を検討することが重要です。

 とは言え、すべての決済手段に100%応えることは難しいと思います。この場合、経営者の皆様がキャッシュレス決済を通じて実現したいことは何か(例えば業務の効率化や販売促進等)をイメージすることも検討基準の一つになります。そして最後は、コストの観点から導入可能な決済端末(接触端末、非接触端末、コード読取機)を選択することが重要と言えるでしょう。

 

一般社団法人キャッシュレス推進協議会

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