「がんばる経営」を応援します!
 

令和5年上期「桑名地域の景況」調査結果

当所では、毎年2回、当所会員事業所(金融保険業等を除く)を対象に景況調査を実施しています。
このほど令和5年上期(1月~6月)の景況調査結果をまとめましたのでご報告いたします。

調査の概要

  • 対象事業所数(金融保険業等を除く当所会員) 1,742社
  • 回答事業所数 433社(回答率24.8%)
    (内訳)製造業:110社 建設業:84社 卸売業:30社 小売業:67社 飲食業:18社 サービス業:90社 交通運輸業:14社 その他:20社
  • 調査期間 令和5年6月21日~令和5年7月7日 郵送によるアンケート方式

※ 語句の説明

DI値(景気判断指数)とは、売上・採算・業況などの項目についての判断の状況を表します。ゼロを基準としてプラスの値で景気の上向き傾向を表す回答が多いことを示し、マイナスの値で景気の下向き傾向を表す回答が多いことを示します。

調査結果

景気の現状

景気は持ち直しの動きも、引き続き低水準にとどまる

 景気の現状について、「良い・やや良い」との回答が21.0%、「やや悪い・悪い」が40.0%で現状判断DI値は▲19.0となった。
 前期調査(▲22.0)と比べると3.0ポイント改善となったが、引き続き低水準に留まる結果となった。前期調査時の今後の景況見通しDI値は▲29.5であったため、見通しより10.5ポイント上回る結果となった。

今後の見通し

 今後の見通しについては「良い・やや良い」との回答が15.9%、「やや悪い・悪い」が37.4%で、景気の見通しDI値▲21.5となった。現状のDI値▲19.0と比較して2.5ポイント悪化の見通しとなっている。しかし、新型コロナウイルス感染症が第5類へ移行したことで今後の見通しに大きく影響していることが窺える。

業種別の景気の現状

 業種別の景気の現状DI値については製造業が▲33.7(前期▲15.3)、建設業が▲21.5(前期▲19.8)、卸売業が▲33.3(前期▲44.0)、小売業が▲24.9(前期▲36.7)、飲食業が▲0.0(前期▲0.0)、サービス業が▲12.5(前期▲19.8)、交通運輸業▲33.3(前期▲50.0)と製造業、建設業を除く業種で改善となったが、飲食業は横ばいという結果となった

 

売上・利益状況

 売上状況については「増加・やや増加」との回答が25.4%(前期27.0%)、「変わらない」が35.6%(前期31.0%)、「減少・やや減少」が38.1%(前期41.6%)で売上状況DI値は▲12.7(前期▲14.6)となり、前期調査と比べると1.9ポイントの改善となった。


 利益状況については「増加・やや増加」との回答が22.4%(前期16.9%)、「変わらない」が333.7%(前期32.5%)、「減少・やや減少」が43.6%(前期50.2%)で利益状況DI値は▲21.2(前期▲33.3)となり、前期調査と比べると12.1ポイントの改善となった。

 

 今回の調査では売上、利益状況ともに改善傾向となった。新型コロナウイルス感染症が第5類へ移行し経済活動の正常化や観光需要の回復に期待する見方となっている。

 

資金繰り・設備投資の現状

 資金繰りの現状についてはDI値をみると▲12.7であり、前回の▲17.1から4.4ポイント改善している。また、資金繰りの見通しについてのDI値は▲16.4であり、前回の▲22.2から5.8ポイント改善している。

 設備投資の実績については「行なった」が19.9%、「行なっていない」が78.3%となっている。また、今後の設備投資については「予定あり」が20.1%、「予定なし」が74.4%となっている。

経営上困っている問題(3項目選択)

 経営上困っている問題については、「売上・受注の停滞減少」が37.2%(前期41.4%)と上昇し第1位となった。第2位に「原材料高及び不足」が34.9%(前期44.8%)、第3位に「人手不足」が29.3%(前期25.0%)と続いた。

 業種別に「売上・受注の停滞減少」を見ると、製造業・卸売業・小売業・サービス業で第1位となっている。昨年から続く原材料価格の高騰や円安の長期化が企業に与える影響が大きいことがうかがえる。
 また、「人手不足」については、建設業と交通運輸業が前期に引き続き第1位となっている。深刻な人手不足に伴う人件費増などのコスト増加が企業収益の足かせとなっていると考えられる。
 上位に上げられる経営上困っている問題は、今後も各業種で引き続き問題になると考えられる。

総評

 今回の調査結果から桑名地区の小規模事業者の景況は、エネルギー価格の高騰や物価高の影響により前回の調査で改善傾向にあった製造業、建設業で物価高の影響や円安の長期化により悪化した。一方で、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことにより小売業、飲食業、交通運輸業などの人流が大きく影響する業種は大きく改善した。
 景気の先行きに関しては、現状のDI値(▲23.7)と比較して、▲1.1ポイント悪化を見通している。飲食業は見通しDI値が14.3と業種間では唯一プラスで推移しておりコロナ禍の不況を脱出しつつある一方で、小売業が▲7.3ポイント、製造業が▲6.9ポイント、サービス業が▲6.2ポイントと物価高の影響や新型コロナウイルスの第9波の懸念などから悪化を見込んでいる業種もある結果となった。
 売上の見通しについて現状の売上状況▲18.4と比較して、▲6.9ポイントの▲25.3となった。小売業、飲食業では15ポイント以上の改善見通しをしているが、製造業、交通運輸業の売上の見通しが悪化している。原材料高の長期化によるコスト増が懸念され厳しい状況が続くと予想される。
 資金繰りについては、▲15.7(前期▲17.5)と改善傾向にある。借入予定は大きな変化がないことから、緊急的な資金繰りには対応できている状況が窺える。
 新型コロナウイルス感染症に伴う規制が緩和されて景気回復への期待感がある一方、原材料・エネルギー価格の高騰や人手不足に伴う人件費など負担するコストがさらに増える危機感もあり、販売価格の転嫁が十分にできていない事業者もあり慎重な見方が続いている。

お問い合わせ

 今回の調査結果の詳細および以前の期間の調査結果につきましては、当所までお問い合わせください。また、本調査の引用をされる場合は、必ずご連絡ください。
 無断利用は固くお断りします。

過去の景況調査

 

桑名商工会議所 中小企業相談所 景況調査担当
TEL:0594-22-5155
FAX:0594-21-5156
ページトップへ戻る