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令和3年下期「桑名地域の景況」調査結果

当所では、毎年2回、当所会員事業所(金融保険業等を除く)を対象に景況調査を実施しています。
このほど令和3年下期(7月~12月)の景況調査結果をまとめましたのでご報告いたします。

調査の概要

  • 対象事業所数(金融保険業等を除く当所会員) 1,714社
  • 回答事業所数 501社(回答率29.2%)
    (内訳)製造業:125社 建設業:72社 卸売業:34社 小売業:76社 飲食業:30社 サービス業:100社 交通運輸業:10社 その他:25社
  • 調査期間 令和3年12月21日~令和4年1月7日 郵送によるアンケート方式

※ 語句の説明

DI値(景気判断指数)とは、売上・採算・業況などの項目についての判断の状況を表します。ゼロを基準としてプラスの値で景気の上向き傾向を表す回答が多いことを示し、マイナスの値で景気の下向き傾向を表す回答が多いことを示します。

調査結果

景気の現状

景気は持ち直しの動きも、先行きに慎重な見方が続く

 景気の現状について、「良い・やや良い」との回答が22.6%、「やや悪い・悪い」が47.5%で現状判断DI値は▲24.9となった。
 前期調査(▲38.4)と比べると13.5ポイント改善となったが、引き続き低水準に留まる結果となった。前期調査時の今後の景況見通しDI値は▲31.0であったため、見通しより6.1ポイント上回る結果となった。

今後の見通し

 今後の見通しについては「良い・やや良い」との回答が16.6%、「やや悪い・悪い」が40.5%で、景気の見通しDI値▲23.9となった。現状のDI値▲24.9と比較して1ポイントとほぼ横ばいであるが、調査期間がオミクロン株による影響が本格化する前であったことから更なる悪化が懸念される。

業種別の景気の現状

 業種別の景気の現状については、DI値は製造業が▲17.6(前期▲30.8)、建設業が▲19.4(前期▲24.7)、卸売業が▲38.3(前期▲59.1)、小売業が▲38.1(前期▲53.7)、飲食業が▲63.4(前期▲63.7)、サービス業が▲18.0(前期▲31.2)、交通運輸業▲10.0(前期▲72.8)と飲食業を除く全ての業種で改善となったが、飲食業は横ばいという結果となった。

売上・利益状況

 売上状況については「増加・やや増加」との回答が23.8%(前期19.4%)、「変わらない」が25.0%(前期24.4%)、「減少・やや減少」が50.3%(前期55.6%)で売上状況DI値は▲26.5(前期▲36.2)となり、前期調査と比べると9.7ポイントの改善となった。


 利益状況については「増加・やや増加」との回答が19.2%(前期17.8%)、「変わらない」が30.7%(前期25.4%)、「減少・やや減少」が50.1%(前期56.4%)で利益状況DI値は▲30.9(前期▲38.6)となり、前期調査と比べると7.7ポイントの改善となった。

 今回の調査では売上、利益状況ともに改善傾向となったが、ワクチン接種に伴う経済活動の正常化や観光需要の回復に期待する見方となっている。

 

 

資金繰り・設備投資の現状

 資金繰りの現状についてはDI値をみると▲16.6であり、前回の▲23.7から7.1ポイント改善している。また、資金繰りの見通しについてのDI値は▲17.8であり、前回の▲23.4から5.6ポイント改善している。

 設備投資の実績については「行なった」が28.1%、「行なっていない」が70.1%となっている。また、今後の設備投資については「予定あり」が22.4%、「予定なし」が70.9%となっている。

経営上困っている問題(3項目選択)

 経営上困っている問題については、「売上・受注の停滞減少」が46.3%(前期55.3%)で、前期に引き続き第1位となった。第2位に「原材料高及び不足」が35.3%(前期21.9%)、第3位に「人手不足」が25.9%(前期22.5%)と続いた。新型コロナウイルスによる「原材料高及び不足」が全体的に広がっている。

 前期に引き続き経営上困っている問題上位は同じ結果となったが、コロナ禍においても、人手不足の中で人材育成への取組みが課題であると回答した割合が全体として多い結果となった。
 業種別に見ると、「売上・受注の停滞減少」が製造業、卸売業、小売業、サービス業で第1位となっているが、建設業、飲食業では「原材料高及び不足」が第1位となっている。原材料の高騰はコロナ禍の影響が続いており、今後も経営上困っている問題の要因になると考えられる。

総評

 今回の調査結果から桑名地区の小規模事業者の景況は、前期に引き続き新型コロナウイルスの影響による大幅な悪化傾向から、多くの業種で持ち直しの動きとなったが、飲食業は依然として厳しいものとなった。
 景気の先行きに関しては、現状のDI値(▲32.0)と比較して、2.2ポイント業況改善を見通しているが、建設業・小売業・その他の業種は現状よりも更に悪化を見込んでいる。新型コロナウイルスの感染再拡大に伴い、部品の納期遅れや原材料高に伴う値上げなどが要因の一つと考えられる。
 売上の見通しについては▲29.1(前期▲35.7)と現状の売上状況▲35.0と比較して改善を見込んでいるが、回答時点では、オミクロン株による感染者が少しずつ増え始めた時期であり、ワクチン接種に伴う経済活動の正常化や観光需要の回復に期待する見方となっている。
 資金繰りについては、それほど変化はなく、借入予定も大きな変化はないことから、緊急的な資金繰りには対応できている状況が伺える。
 製造業を中心に海外の景気回復にけん引される形で推移しているが、まん延防止等重点措置の発令や受注・売上の減少、原材料の高騰による値上がりが懸念されるなど、先行きは依然として不透明な状況が続くと予想される。

お問い合わせ

 今回の調査結果の詳細および以前の期間の調査結果につきましては、当所までお問い合わせください。また、本調査の引用をされる場合は、必ずご連絡ください。
 無断利用は固くお断りします。

過去の景況調査

 

桑名商工会議所 中小企業相談所 景況調査担当
TEL:0594-22-5155
FAX:0594-21-5156
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