桑名商工会議所

当所では、毎年２回、当所会員事業所（金融保険業等を除く）を対象に景況調査を実施しています。
このほど平成30年下期（7月～12月）の景況調査結果をまとめましたのでご報告いたします。

調査の概要

• 対象事業所数（金融保険業等を除く当所会員） 1,775社
• 回答事業所数 442社（回答率24.9％）
  （内訳）製造業：130社　建設業：72社　卸売業：38社　小売業：76社　飲食業：17社　サービス業：81社　交通運輸業：10社　その他：18社
• 調査期間　平成30年12月20日～平成31年1月11日　郵送によるアンケート方式

※　語句の説明

ＤＩ値（景気判断指数）とは、売上・採算・業況などの項目についての判断の状況を表します。ゼロを基準としてプラスの値で景気の上向き傾向を表す回答が多いことを示し、マイナスの値で景気の下向き傾向を表す回答が多いことを示します。

調査結果

景気の現状

～景気は横ばいの結果に～

　景気の現状について、「良い・やや良い」との回答が23.5％、「やや悪い・悪い」が34.6%で現状判断ＤＩ値は▲11.1となった。
　前期調査（▲12.0）とほぼ横ばいの結果となった。前期調査時の今後の景況見通しＤＩ値は▲15.8であったため、見通しより4.7ポイント上回る結果となった。

今後の見通し

　今後の見通しについては「良い・やや良い」との回答が16.2%、「やや悪い・悪い」が36.6%で、景気の見通しＤＩ値▲20.4と現状のDI値▲11.1と比較し9.3ポイント悪化の予想であり、先行きに対して厳しい見方が広がっている。

業種別の景気の現状

　業種別の景気の現状については、DI値は建設業が15.2（前期▲4.0）とプラス水準に改善したほか、卸売業が▲13.1（前期▲24.5）、小売業が▲31.7（前期▲34.2）、交通運輸業▲30.0（前期▲41.7）とマイナス水準ながら改善している。
  一方で、製造業が▲6.9（前期3.7）とマイナス水準に転じたほか、飲食業が▲47.0（前期▲38.8）、サービス業が▲12.4（前期▲8.3）と悪化している状況である。

売上・利益状況

　売上状況については「増加・やや増加」との回答が26.9％（前期23.8％）、「変わらない」が35.3％（前期37.3％）、「減少・やや減少」が37.1％（前期38.8％）で売上状況ＤＩ値は▲10.2（前期▲15.0）となり、前期調査と比べると4.8ポイントの改善となった。

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　利益状況については「増加・やや増加」との回答が23.0％（前期21.1％）、「変わらない」が38.0％（前期39.4％）、「減少・やや減少」が38.6％（前期39.4％）で利益状況ＤＩ値は▲15.6（前期▲18.3）となり、前期調査と比べると2.7ポイントの改善となった。

　今回の調査では売上、利益状況ともに改善傾向となった。

 

 

資金繰り・設備投資の現状

　資金繰りの現状についてはＤＩ値をみると▲8.5であり、前回の▲10.5から2.0ポイント改善している。また、資金繰りの見通しについてのＤＩ値は▲10.9であり、現状より悪化する見通しである。

　設備投資の実績については「行なった」が23.3％、「行なっていない」が74.9％となっている。また、今後の設備投資については「予定あり」が18.8％、「予定なし」が74.0％となっている。

経営上困っている問題（３項目選択）

　経営上困っている問題については、「人手不足」との回答が37.1％（前期35.7％）と上昇し、「売上・受注の停滞減少」が34.6％（前期35.9％）との回答を上回り第1位となった。第3位には「人材育成」が25.3％（前期23.1％）となり、引き続き上位となっている。
　業種別に見ると、DI値が唯一プラス水準に転じた建設業でも「人手不足」59.7％（前期51.3％）の項目が上昇することとなった。また、製造業では「人材育成」34.6％（前期28.6％）が第1位の結果となり、飲食業では「人手不足」58.8％（前期61.1％）に加え、「人件費の増加」41.2％（前期27.8％）が大幅に上昇するなど、「人手不足」だけではなく人材確保に関すること全般が経営課題となっている。

総評

　景気の現状を示すＤＩ値はほぼ横ばいの結果となった。業種別の現状や売上・利益状況などからみても前期と比較して緩やかに改善している。しかし、景気の先行きに関しては、現状のＤＩ値と比較して9.3ポイントの業況悪化を見通しているほか、売上見通しについても▲18.3％（前期▲16.3％）と悪化を見込むなど、今後の業況見通しについて厳しく見ているものと考えられる。

お問い合わせ

　今回の調査結果の詳細および以前の期間の調査結果につきましては、当所までお問い合わせください。また、本調査の引用をされる場合は、必ずご連絡ください。
　無断利用は固くお断りします。